ホスピタル


「別に拓也も吸えばいいのに。私は前で吸われるのとか慣れっこだし」



「いや、梨愛吸わない子だから俺もやめとく」



「ふーん?拓也がいいならいいけどね。でも気使ってるなら使わなくてもいいから」



みんなが吸ってる中
喫煙者の拓也は
なぜか遠慮した。


私は別に禁煙者だし
吸ってるのなん見ても
何も苦に感じないけど、
拓也は吸いたいとか
感じるんじゃないの?



まー拓也がいいならいいけどさ。



「ふーっ。一服最高だわ」


「愛ニコチン切れかけてたしーっ」


「愛前禁煙するとか言ってなかったけ?」


「もー必要ないの!空は終わったから!」



あー空君。
愛、空君のために
禁煙してたんだ。
確かに一時期やめてたもんね。



「あーお前の好きな男か。もうやめたわけ?」



「やめたよ!あんな奴!今愛はまた彼氏募集中なわけ」


「ふーん」


素っ気ない態度をとった
悟君はちょっと嬉しそうに見えた。



まさか!!!

悟君愛が好きだな!?




「ねえ拓也!」

拓也をちょいちょいっと
自分の方に呼ぶ。


「もしかして悟君。愛の事すき?」


耳元でそう訪ねる。


「あー間違いないね。あいつ、北山と知り合ってから彼女作んねえし、ずっと北山ばっか気にしてるし。あいつバレバレなんだよな本当」


拓也も小声でそう返してくれた。



「あっ2人内緒話してるしー!怪しい!愛も混ぜろー」

愛って本当鈍感。
まあそこがまた可愛いんだけど!


「お前抜け駆けばっかしやがって!!」


「はー?内緒話とか気になるやん」


「ふふっ。内緒〜」


「言わねえよボケ!」



あーそっかそっかあ。
悟君と愛か。


うん、そうなってくれたらいい。


愛が幸せになってくれたらいい。


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