大好きが溢れるまで
June
中学2年、6月上旬。
放課後、あの公園でテニス部の練習を眺めるのが日課になった私と亜美。
そんな私たち2年生には、もうすぐ移動教室があった。
みんなはワクワクしてるけど、私はそこまで楽しみではなかった。
だって…飯田と同じクラスでも班でもないから。
2年になってよく話すようになったカレナと移動教室の話しをしてた時。
3組に飯田がやってきた。目的は、3組のテニス部と話すため。
姿を見るだけでも、胸がぐぅって苦しくなる。
無意識で目で追ってしまう自分に嫌気が差す。
「まなこって、飯田が好きなんだよね」
隣にいたカレナがこそっと私に言った。
カレナには少し前に打ち明けたんだけど、なんだか変に照れちゃった。
「う、うん…」
「移動教室では、話しなよ!」
「え、それはムリー!」
「何でよぉ!」
「でも、目標は決めてるから大丈夫」
「お、何々?」
耳をすましたカレナにそっと呟いた。
"写真1枚は、一緒に映ること"それが移動教室での目標!
「おぉ~!頑張って!」
そう言ってガッツポーズしたカレナ。
私はチャイムと共に3組の教室を出た飯田を確認して、席に戻った。