大好きが溢れるまで
数十分、私は中根が帰ってくるのを待っている。
中根が帰ってくる気配がない。
え、置いてかれた?と考えた時。
中根が1人でとぼとぼと帰ってきた。
「…仲井」
「な、何?」
睨むような、落ち込んでるような、よくわからない目つきを私に向けた。
「智樹、5分前に帰ったって」
「あ、そうだったんだ」
「お前の"ちょっと待って"がなかたらぁーー!!」
お前があんなに立ち止まるから!と騒いでる中根。
どうやら、5分だけだと思って、公園周辺も探し回ってたらしい。
人によってはお節介にとらえるかもしれない。
だけど私は、本当に優しいなって思った。
「また明日、いつもの公園に来て!」
「え、」
「明日こそ会わせる」
「でも、明日学校…」
「放課後!絶対きてね!」
今日だけは、少し強引だった中根。
私は誰かに背中を押してもらわないと、進めないのかな。
と少し悲しい事を考えてしまった。
私はいつも、周りに迷惑をかけてる。
そんなのわかってるけど、無意識だからどうしようもない。
私はこの日、明日こそ告白しようと決意した。
どうやって伝えるかは、人それぞれ。
私は、私なりに飯田に伝える。