大好きが溢れるまで



中根はたまにからかってくるけど、優しくて、わかりやすい人。
最近はイジられキャラになってる。特にテニス部の連中には凄い。
そんな中根は、2週間後、私の好きな人を1発で当てた。


「仲井って、智樹が好きでしょ」


明日に遊園地を控えた今日。確認のため中根と電話をした。
突然電話越しに言われた言葉。
その言葉は、私の心を刺すようだった。


「…、そうだよ」


笑いながら返事をするも、目の前の鏡に映った自分の顔は何処か悲しげだった。
返事をした後の中根はいつもと態度が一変して、冷たく感じた。



気まずいまま、電話を切ると私の心にはモヤモヤとした違和感が残った。
なんなんだろう…この違和感。
理由も突き止めることなく、私は明日の用意をした。






< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop