大好きが溢れるまで
中学2年
April
中学2年、4月。
飯田達と遊園地に行った先々週。
それから先週は、みんなで花見にも行った。
春休みに2回も会えて、すっごく楽しかったけど。
今日は2年生になる、始業式。
もう、1年生ではない。そして、後輩が入学してくる。
そんな事よりもずっと緊張することがあった。それは、クラス替え。
春休み以外に学校では飯田と話さなくなって、寂しかった。
それなのにクラス替えの日は、早々とやってきてしまった。
「まなこ~!同じクラスだといいね!」
「同じクラスだよ!きっと」
いつも通り亜美と学校の正門を通る。そこには沢山の2年生がいた。
みんな喜んだり、嫌がってたり。
私は高鳴る鼓動を放っておいて、クラス発表の紙を受け取ると、自分の名前を探した。
「あ!!まなこ、3組同じクラスだよ!」
「え、嘘!やったぁー!」
喜んで、自分で確かめると、確かに3組に私の名前は載っていた。
だけど、同じクラスに飯田の名前はなかった。
「あ、亜美…飯田は1組だって…」
「うっそぉ…な、泣くな!まなこ」
私の目からは涙が溢れ出して、自分でも抑えきれなかった。
私と飯田の間には1クラス。新しい校舎、教室、席に座った時。
クラスの壁って…すごく大きい。
そう思って、このクラスを好めないような気がした。
その日、学校から帰ると、携帯にはメールがきていた。
その内の1件は、4組になった中根からだった。
「え…?」
ディスプレイを見た瞬間、自分の中で何かが揺れた。
中根からのメールには、"大丈夫?今から会える?"と記されていた。
私はお昼ご飯を食べてから、中根と公園で会うことになった。