大好きが溢れるまで
May
中学2年、5月。
動物園も予定通りに行って、飯田と話せた私。
中根ともすっごく仲良くなった今。
2年では、噂が流れていた。
「ねぇ、まなこ」
日直の私が黒板を消している時。
亜美が困った顔で話し掛けてきた。
「どしたの?」
「何か、まなこの噂流れてるよ」
「え?どんな?」
そう言うと、黒板消しを置いて、手を洗いに行った。
その後ろには亜美がついてきて、話し掛ける。
「中根と付き合ってるって」
「えっ!?な、何で!?」
吃驚した私は、濡れたままの手を亜美の肩にやった。
亜美はそんなのに気付かず、私の目をまっすぐ見た。
「1年から結構仲良かったじゃん…遊んでるしさ」
「そ、そうだけど…私は中根を信用してるだけ」
「そんなん、周りにはわかんないよ」
どうしようもないね、と最後に言って私とまなこはチャイムと同時に席についた。
私はそんな噂気にしない。
だけど、中根はきっと気にする。だから、ちゃんと話ししないと。
そう思って、亜美の話しを聞いた日の放課後。
私は4組のHRが終わるまで廊下で待っていた。