Boys Summer Love!
何でも母の兄の長男が、ちょっと難しい性格をしているらしい。

そのせいか学校でも浮いていて、一緒に住んでいる家族や親戚にも心を開いてくれないようだった。

なので歳が近く、今まで接したことがない僕になら、興味を持ってくれるんじゃないかっていう話が、母と伯父の間で交わされていた。

将来、実家を継ぐ立場だから、もう少し他人と交流を持ってほしいらしい。

要するに遊び相手になってほしいとのこと。

僕は笑顔で承諾した。

僕にとってはイトコだし、年下のコと遊ぶことなんて滅多になかったから、楽しみにしていた。

実家の邸は小山の上にあるので、坂道を歩く。

母の言った通り、民家よりも自然が目立っている場所だった。

でも空気は美味しいし、緑がキレイで、セミの声が心地良かった。

夏休みいっぱいここにいられると思うと、心は高鳴った。

…しかし実家の邸の前で、呆然となった。

ウチは都心に建つそこそこ高級なマンションに住んでいた。

父の実家は普通の二階建ての一戸建て。

しかし母の実家の邸は、まさに昭和という時代がピッタリな、大きくて広い和風の邸だった。

…ここで肝試しなんてやったら、雰囲気ピッタリだな。
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