Boys Summer Love!
でもその願いはすぐに叶った。

学校が夏休みに入ったので、伯父の家に来たのだ。

だけど…。

<がっしゃーん>

「えっ?」

家の中からは、物凄い物音と声が響いてきた。

「っのクソ親父!」

「私がクソ親父だったら、お前はクソガキだっ!」

「…このやり取り、兄さんと由月ちゃんね」

「母さん、止めた方がいいんじゃ…」

「ああ、そうね」

母は渋々家の中に足を踏み入れた。

僕と父も、後に続く。

広間で由月と伯父が大喧嘩をしていた。

伯母やイトコ達は、物陰に隠れて様子を見ている。

「雅貴は由月ちゃんを止めて。アタシは兄さんを止めるから」

「わっ分かった」

気配を消して、恐る恐る由月の背後に迫った。

母も同じように、伯父の背後に回った。

母と視線を交わす。

お互いに頷き合い、すぐに動いた。

「はい、ストップ! 兄さん、由月ちゃん、いい加減にしてよ」

「由月! 僕達が来たんだから、もう止めなよ!」

僕と母さんは、伯父と由月を後ろから羽交い絞めにした。
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