Boys Summer Love!
「なっ! …雅子か」

「雅貴…」

2人はすぐに力を抜いた。

「まぁたハデに暴れたわね」

母が感心半分、呆れ半分に周囲を見回す。

確かにいろいろな物が破壊され、いろいろな物がボロボロになっていた。

「っ! 雅貴、オレの部屋に行こう」

「うっうん」

由月は僕の手を掴み、歩き出す。

床に落ちている物を避けながら、広間を出た。

廊下を歩いている時、由月は何も言わなかった。

だけど部屋に入るなり、ぐったりと座椅子に座った。

「…お久し振り。そしてどうしたの?」

「ああ、いらっしゃい。…別に。いつものケンカ」

「いや、激し過ぎるから」

あんなのをいつもしていたら、この家はとっくに崩壊している。

由月はむっす~としながら、腕を組んだ。

「そろそろ親父が後継者の就任式をしたいだなんて言い出したんだ」

「就任式? 早くない?」

「親父は昔の人間だから。14歳で成人だなんて言いやがる」

「ああ…」

中学の時にやった立志式を思い出した。

「由月ももう中学2年だもんね。伯父さん、慌て始めたんだ」

「ああ。イヤだって言っても聞かねーし。ここんとこ、今みたいなケンカが続いてる」
< 37 / 57 >

この作品をシェア

pagetop