Boys Summer Love!
とにかく僕にはイトコに友達になってほしいという伯母の言葉に、素直に頷いた。

ふと邸の中を探索してみたくなった。

けれど母は伯父とバトル中で、父は疲れていた。

なので1人で探検に行って来ると言って、僕は部屋を出た。

歩けば歩くほど、邸の古さが分かった。

でもこういう家も良いな。

古いけど、人が過ごしてきた歴史みたいなのが感じられる。

しかし僕は油断していた。

ウロウロしているうちに、迷子になってしまったのだ。

「あっあれ? ここ、どこだろう?」

辺りを見回しても、同じ光景にしか見えない。

ここまで広い家の中を歩くのははじめてで、まさか迷うなんて思わなかった。

周囲に人の気配は無い。

どうしようかうろついているうちに、奥へと来てしまった。

薄暗く、何か出そうな雰囲気に、泣きたくなってくる。

「ううっ…。だっ誰かいませんか~?」

泣きそうな声を出すも、反応無し…。

「だっ誰かぁ~」

それでも声を出さなきゃ、泣きそうになっていた。

ところがとある部屋の前で、いきなり襖が開いた。

「うわっ!?」

驚いて後ろに引っ繰り返ってしまった。

中から出てきたのは、陽に焼けた肌に、少し伸びた黒い髪、大きな茶色の目をした子供だった。
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