好きな人は芸能人
合コンは、
上がりに上がって…


しかし、
興味がなく憂鬱でしかない麗菜にとっては、
退屈な場所と
退屈な時間でしかなく…


皆が楽しそうに会話を交わす中、
麗菜は、
そっと席を外した。

そして、
ひとり
お手洗いへと向かった。

男と会話をしながら、
梨香は気付く。


梨香は、
会話の合間をうまく計り、麗菜のもとへと行った。


麗菜は、
お手洗いの洗面で
静かに煙草を吸う。


「いたぁ~」

「あ、梨香…」

「気分悪いわけじゃない?」

「ううん、違う」

「そう。
よし!じゃあ、男たちと話そうっ」

「あ、やっぱ気分悪いかも」

「えぇー?」

「最悪、無理になったら帰るからさ、そんときは払ってて」

そう言って、
麗菜は、梨香に会費を渡す。

「もう帰る気でしょぉー」

梨香が、
膨れながら受け取る。

「違うよ。

心配して来たの?」

「そうそう」

「ありがと。

すぐに戻るから、
先に戻ってて」

「えぇー…?」

「ホント、戻るから。
ほらっ、席で彼が待ってるよっ」

「彼?」

「梨香にえらく話しかけてる彼よ」

「えぇ?そんなのないわよ~♪
早く来なよっ」

「はいはいっわかった」


梨香は、否定しながら口の端をゆるませながら席へと戻っていった。


麗菜は、
ひとり
溜め息をつく。



静かに煙を吐き、

梨香に
『気分悪くと無理っぽいから帰る。
楽しんでね』
とメールを打つと、

麗菜は、

ひとり静かに店を出ていった。
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