教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
実習生の休日①
【菫の休日】
もう、朝になっちゃったんだ。
結局あれから、泣き続ける美羽ちゃんを何とかなだめて私のベッドで眠らせて。
私は元のお姉ちゃんの部屋で、指導案作りをしていた。
月曜日までに指導案を3つ、作らなくちゃいけないから。
ようやく2つできたけれど、一番大事な研究授業用の指導案がまだ残っている。
今日と明日で、完成させなくちゃ・・・・・・。
お腹がすいたのでリビングへ降りてみたら、お父さんが出かける用意をしていた。
「おはよう、もう出かけるの?」
「おはよう。菫も早起きだなあ」
「だって、徹夜明けだもん。いろいろあって、指導案作りが遅れてたからさ」
そう言って、大きく伸びをする。あくびをひとつ。
「お母さんから聞いたぞ。色々あったみたいだな」
「うん。普通の実習では味わえない経験をしちゃったよ」
確か、最初はまた学校での先生が見られる~、なんて浮かれていたはずだったのに。
なんでこんなことになっちゃったのかなあ。
お父さんが冷蔵庫から缶コーヒーを2本取り出して、1本を私に向かって投げた。
えへへ、ナイスキャッチ。