教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
それでも何とか、指導案の『本時の目標』までPCで打ち込んだところで、文書を保存っと。
徹夜でPCに向かっていたせいで、肩こりがひどい。
頭を左右に傾けて、肩をトントン。
その時、携帯が鳴った。
おそるおそる画面を見たら『公衆電話』だった。
きっと、病院から直接かけてるんだ。
「もしもし」
『菫、お母さんだけど、今話してもいい?』
「うん、待ってたもん」
『あのね、美羽ちゃん、入院しちゃったの』
え、入院!?
「なんで?」
『切迫流産と重度のつわりで、今、総合病院を紹介されて、そっちに入院したところ』
「・・・・・・」
『ちょっと菫、聞いてる? 美羽ちゃんは絶対安静で、トイレ以外動けないの。
さっきからずっと泣いていて、お母さんも美羽ちゃんから離れられない。
桜も小梅がいるから、動きが取れないだろうし。
菫、家から入院に必要なものを用意して、先生に迎えに来てもらいなさい。
担任だから連絡したってことにして、とにかく急いで今から言うものを持ってきて!』