教育実習日誌〜先生と生徒の間〜

その場にあった指導案印刷用のコピー用紙に、赤ペンでメモを取る。


手が震えて、うまく字がかけない。


それでも何とかメモを取って、電話を切った。




ショックを受けて固まっている場合じゃない。


お母さんに言われたものを大きめの紙袋に詰め込んでいく。


バスタオル、タオル、割り箸、マグカップ、イヤホンはないから、ヘッドホン・・・・・・。


あとは気分が落ち込まないような漫画って言ってたけど、こんな時には何を読んでも駄目かもしれないじゃん!


と、とりあえず、お姉ちゃんの部屋に置いてある『お父さんは心配性』でいいかな!?


・・・・・・ダメだ。お父さんを心配させている状況なんだから。


じゃあ『激烈バカ』ならどうかな?


・・・・・・っていうか、お姉ちゃん、何でこんなのばっかり実家に置いていくの!?


お姉ちゃん、かなりの猫かぶりだから、きっと旦那様に知られたくないんだろうな。


自分がかつてこんなのを愛読してたって。


そんな私もお姉ちゃんに借りて読んでたけどさ。



荷物を詰めて、先生に連絡してみたら。


先生は、すぐに来てくれた。


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