教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
「知らない携帯番号だから、出ないかも知れないよな・・・・・・」
何回かコールして、ようやく繋がった。
「吉川か?
O高校の松本です。・・・・・・そう、政経の。
単刀直入に言うけど、木内美羽の件で大事な話をしたい。
今、どこにいる?」
どうやら、先生は吉川君の教科担任らしい。
「・・・・・・そうか。それじゃあ30分後、下宿の前で待ってるように。
え? ああ、だろうな。
いくら掛けてもつながらないよ、木内は今、入院中だから。
その事で話があるんだ。
いいな、30分後だぞ!」
電話の後、二人で一緒に大きなため息をついた。
「色々ありがとう。
あとはこっちで何とかするから、菫は指導案作りを頑張れ」
病院の駐車場を出て、途中でマックへ寄り道。
ドライブスルーで3人分のセットを注文した先生。
我が家の前で、私に『えびバーガーセット』を分けてくれた。
「先生、美羽ちゃんの気持ち、ちゃんと伝えてね!」
「了解」
うちの玄関前で、約束した。