教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
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公開授業が終わった。
最初はどうなることかと思ったけれど、最後は裕香と生徒がちゃんとまとまって授業を作り上げていた、そんな印象を受けた。
先生は、授業終了と同時にささっといなくなっちゃった。
忙しいのに、貴重な空き時間を裕香のために使ってくれて、ありがとう。
裕香もほっとしたような表情で、音楽室の後片付けをしていた。
後でゆっくり話せるといいな。
一緒に参観した実習生達と、実習準備室へ戻る。
「安西さんって、歌うまいんだね!」
「へ? そんなことないよっ! でも、お世辞でも嬉しいな。
渡辺君こそ、いい声で歌ってたね」
「うん、なんかあの雰囲気、どうにかしてやりたくてさ。
明らかに岩谷さん、困ってただろ?」
他の実習生もみんな頷いていた。
「でも、久しぶりに歌ったら、楽しかった!
みんなの応援のおかげで、裕香の授業はうまくいったし、ホント感謝!!」
「そうだ! 金曜日、先生方が実習生のご苦労さん会を開いてくれるらしいんだけど、二次会は俺たちだけでカラオケに行かないか?」
渡辺君の提案に、みんなが賛成してる。
金曜日の夜、かあ……。