教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
昼休み。
学年主任と教頭先生に、木内の退学について話した。
相手が誰であるかは知らないふりをして、出産を選んだ彼女の意思を伝える。
驚いていたが、この場合は引き留める訳にもいかないため、あっさりと了承された。
ついでに、今日の4時から保護者と話すため、外勤扱いにしてもらえるよう、頼むことも忘れなかった。
これから先、木内の実質上の保護者は吉川のご両親になる訳だから、嘘にはならない。
それにしても、吉川の親父さんはなぜ、木内に対してそこまで手厚く保護してくれるのか。
普通の親なら
「まだ二人共、早すぎる」
なんて言って、子どもを諦めさせるのではないか?
吉川の親父さんの考えを、是非聞いてみたいと思った。