教育実習日誌〜先生と生徒の間〜

ざわつく生徒達。


うわあ~。



『二十四の瞳』だってプレッシャーなのに『八十の瞳』は圧巻!


小学校の実習は、35人だったし、ちっちゃくてかわいかったからここまで緊張はしなかった。


いやいや、ここの生徒達は私の後輩だもん、それほど敵意むき出しじゃないだけ、良かったのかも。


大学の親友、かんなちゃんは、中学校と高校の免許を取るため、付属中で3週間実習をしたんだけど、結構きつく当たられたらしい。


一応、名門と言われる中学校。


小学校とはまた違い、やっぱり実習生だと『受験の邪魔』になってしまいかねないから。


小学校は割とのびのびやらせてもらえたんだけどね……って、そんな事はいいの。


先生が連絡事項を伝えている間も、みんなの視線は私に向いている。


試される実習生って感じでしょうか、ねぇ。



「では最後に、教育実習生の紹介をします。

君たちの6つ上の先輩になる、安西菫先生です。

HRはここで君たちと一緒に過ごします。

教科は国語なので、現代文の竹森先生と授業をしてくれるので、ちゃんと聞くように。

……安西先生、自己紹介をお願いします」



教室に入って初めて、先生が私を見た。


当たり前なんだけど、すっかり『先生』の顔になっている。


先生、見ていてね。

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