教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
ではここでちょこっと裏話。
吉川君のお父さんには、モデルがいます。
家族ぐるみのお付き合いがあった、産婦人科のお医者様です。
とても優しくて、あったかい方でした。
……癌で天に召される前、私に語ってくれました。
「おめでとうが言いたくて産婦人科医になったのに、妊娠を告げるとまるで深刻な病気を告知されたのと同じ反応の若い人が多すぎる。
産めないのなら避妊しないと、一生後悔することになる。
中絶手術する側だって、虚しくなるんだよ。自分はなんて罪深い人間だろう、と……」
本当に優しいお医者様だからこそ、中絶手術の前に必ず『説教』と、避妊についての指導をしていたのだと思います。
二度と同じ過ちを繰り返してほしくない、という想いから……。
これをお読み頂いた、若い皆さんにお願いです。
自分を、相手を、家族を、お医者様を、そして何より新しい命を傷つけないために。
どうか産みたい時期が来るまでは、しっかり避妊して下さい。
その一方で、岡崎先生のように『産みたいのに授からない』ご夫婦も10〜15%いらっしゃいます。
結婚していても子どもがいない女性には、他人に言いたくない理由があるのかも知れません。
『子どもはまだ?』『二人目はまだ?』という言葉に悪意がないのはわかります。
でも、極めてプライベートな事に踏み込む質問だということをお知りおきくださいね。