教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
「ミウちゃん、この後暇なら、一緒に昼ごはん食べに行こう」
「え……? は、はい」
夢みたい。先輩から誘ってもらえるなんて。
連れて行ってもらったのは、ファミレスだった。
「マックとかミスドだと、絶対うちの高校の奴もいると思ったから」
もしかしたら、私なんかと一緒にいるところを誰かに見られて、誤解されるのが嫌、だったの?
ちょっと悲しくなってうつむいた私に、先輩がこう言った。
「こんな可愛い子と一緒に歩けて、俺は嬉しいけどさ。
ミウちゃんが俺の友達とかに声かけられたりしたら、落ち着かないだろ?」
今の、本当?
私の事、可愛いって思ってくれているのかな?
「ありがとう、ございます。
私も先輩と二人のほうが落ち着きます……」
そう答えた私を見て、先輩が満足そうに頷いた。
「だんだん俺に慣れてきた?
少しずつでも話してもらえたら、嬉しいな。
俺、ミウちゃんともっと仲良くなれたらって思ったんだ。
学校の事や、勉強の事で何かあったら、俺に相談して?
下宿は夜8時まで、どこの部屋も行き来していいことになってるから。
俺の部屋にも遊びにおいで」
「いいんですか?」
「もちろん、大歓迎。
……でも、他の男子の部屋は行ったらダメだよ。
可愛いミウちゃんがオオカミに食べられたら大変だからさ」
「まさか〜」
こんな風に男の人と打ち解けられるなんて、思ってもみなかった。