教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
いつの間にか、こんなに近づいていたんだ、私達。
丁寧に勉強を教えてくれるトモアキ先輩は、まさか私がこんな風に意識してるなんて気づいていない、よね?
でも私は、一度先輩を意識しちゃったらもう、勉強どころではなくなった。
先輩は、急にそわそわしはじめた私を不思議に思ったみたい。
「ミウちゃん……」
名前を呼ばれて、視線を上に向けると、先輩と至近距離で目が合う。
先輩、そんなに私を見つめないで。
あわてて目をそらしたら
「ごめん。俺のこと、まだ怖い?」
「いえ、怖くはないです」
「じゃあ、どうして避けようとするの?」
「だって……恥ずかしくて……」
先輩はまだ、私をじっと見ているらしいけれど、私からはもう、直視できない。
どうしよう、やっぱり私、こんなに意識しちゃうってことは、この人の事が好きなんだ。
でも、私の想いは、先輩にとって邪魔にしかならないはず。
これからが大事な時期なのに。
それなのに。
「恥ずかしいだけ? 俺の事、迷惑ならはっきりそう言って。
俺が……ミウちゃんを好きだって言ったら、迷惑かな?」
え?
先輩が、私を、好き?