教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
今までこんな私の事を必要としてくれた人は、いなかった。
お父さんとお母さんも、しゃべれない私をやっかい者扱いしていた。
うちはいつも、しっかり者のお兄ちゃん中心。
私はあの家に、居場所がなかった。
中学校でも、空気のような存在だった私。
環境を変えたくて家から離れたこの高校へ進学するために、猛勉強した。
そして出会ったのが、トモアキ先輩。
私を理解してくれようと努力している。
私を可愛いって言ってくれる。
私を好きになって、私とひとつになりたいって……。
もう、私には先輩を拒むことができなかった。
私も先輩が好きだから。
失いたくない。嫌われたくない。
もっと、先輩に愛されたい。
大きく深呼吸して、必死で落ち着こうとした。
声がうまく出なくて、囁き声になったけれど、何とか気持ちを伝える。
「トモアキ先輩とだったら……いいです」
恥ずかしい……。
痛みをこらえて、必死に声を抑える私に、先輩が深いキスをくれた。
はじめてひとつになるのって、こんなに痛いんだ。
でも、先輩が私に夢中になってくれているのが嬉しくて。
痛みと感激で涙があふれた。
ひとつになる行為は、私と先輩をより親密に結び付けてくれたはずだった。
でも、それだけでは終わらなかった。