教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
生徒は6歳下だから、まあ……よしとしよう。
俺が睨んでおけば、そうそう手も出せない、いや、出させない!
だが、12人もいる教育実習生のうち、7人は男だ。
しかも、そのうちの一人は昔、菫のことが好きだったあの熱血体育会系ハンドボール部員だったりする。
さらに、菫と同じ国語科の採用2年目、若干24歳の若造も『可愛い実習生、いないかな~、楽しみだな~。生徒じゃないから、お付き合いもOKですよね!?』などと、教育実習担当である教務部の俺に探りを入れてきやがった。
このままでは、大変危険だ。
指輪も外している、彼氏はいない(ことにしている)、見た目は可愛い女子大生、喋らなければあのおバカっぷりもわからない。
……やはり、ここはノーコメントで通してもらった方が、お互いの精神衛生上、良いと思われる。
いや、一番それを望んでいるのは、多分俺、なんだろうな。
きっと菫は、俺がここまで心配していることなんて、全く知らないはず。
第一、熱血体育会系からの告白は、俺が未然に防いだようなものだし。
それは未だに内緒だ。