教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
10分ほど経って、やっとドアが開いた。
私の姿を見て、驚いている美羽ちゃんの顔はやっぱり青白い。
「ごめんね、驚かせちゃって。
一緒に社会科準備室でお話しようよ。
今日は、私ももうお昼ご飯済ませちゃったから、お話に集中できるよ!」
実は、まだ食べていないんだけどさ。
どうかお腹の虫が鳴りませんように。
「……はい」
準備室に着いて、昨日と同じように先生の机を拝借。
今日はここに、魔法瓶でお茶を持ってきたんだよね。
お姉ちゃんが言うには、つわりの最中でも、カフェインの入っていないほうじ茶なら、安心して飲めたって。
吐いてしまって水分も摂れなかったら、本当に危ないらしいし。
「あったかいほうじ茶なの。良かったらどうぞ」
紙コップに注いで、静かに手渡した。
「……ありがとうございます」
良かった、飲んでもらえるみたい。