教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
さて、ここからが本題、なんだけどさ。
もしも美羽ちゃんが、私が想像している通りの状態になっているとしたら。
これから聞かせる話は、きっと共感してもらえると思うんだけど。
それ以上に、激辛な話になっちゃうかも知れない。
自分の口から打ち明けてもらうために、ちょっと我慢して聞いてもらおう。
「美羽ちゃん、彼とケンカしたことある?」
「まだ、ありません」
「そっか。付き合い始めてまだ2か月未満だもんね。
優しい彼なら、ケンカするようなこともないよね~」
私はつい最近、おうちの出入り禁止を言い渡されたんだよ、なんて心の中で呟く。
ま、あれはケンカっていうより、先生から指導されたんだけどさ。
それはともかく。
「私も、大きなケンカってしたことないの。
やっぱり、相手が私より大人だからなのかもね。
ただね、一度だけ、とっても心配させちゃって、思いっきり叱られたことがあるの。
聞いてくれる?」
美羽ちゃんが、こくりと頷いた。