恋の相手はメイド君!?
息を何度も吐いて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
ええーいっ!
こうなったら、さっさと先に進めてしまえ!
-ガタンッ!
「千尋っ!?」
「……ん?」
「見せたいもんがあんねんっ」
「見せたいもん? なに?」
すっごく真剣に聞かれた。
何をって、あなたに見せたいのはいわゆる勝負下着というやつだ。
それを見せるのにも、かなり勇気が必要だというのに。
「えっと、えっとな……」
下着を見て下さい。
なんて、言えるかー!
立ち上がりテーブルに置いた手から目がはなせない。
相当てんぱる。
グラグラする。
ドキドキ煩いし、もう逃げたいよ。
でも、でもでもでも!
「此処じゃあかん!」
やっぱり逃げたら、何も変わらないからやだっ。
「なら、何処ならええの?」
「え…っと…」
背もたれに身体を預け、腕を組んで見上げてくる千尋に、息が詰まるかと思うほど苦しくて。
言葉を詰まらせるあたしを、千尋はただひたすら見つめてくる。