恋の相手はメイド君!?
いけ、いけ欄!
「…寝室いこぉ?」
「…………」
やだ。
何か言ってよ。
怖いよ。
無言で、あたしから目をそらさないでよ。
「ち…ひろ?」
不安で泣きそうになりながらも、必死で我慢した。
此処で泣いたら最悪だ。
まだこれからが大変なんだから。
-ガタン。
静かに椅子を引き、やっぱり無言で立ち上がる。
あたしの横まで来ると。
「寝室行こうか?」
と、やたら真面目に聞いてきて。
あたしが誘っていたはずなのに、まるで千尋に誘われているかのように、あたしがドキドキしながら頷いていた…………。
「うん……」
千尋が先を行く。
あたしは顔が上げられずに、下を向いたまま、千尋の足を追い掛けた。