恋の相手はメイド君!?
「冗談やからっ…。
気ぃ悪くせんといて?」
頑張って笑顔を作った。
お願い、嫌いにならないで。
軽い女だと思わないで。
あたしは、千尋だから出来たんだよ。
恥も不安も捨ててしまえるほど千尋が大好きだから、だからできたんだよ。
そんなことは言えないけど、もう一度笑ってほしい。
-パサッ。
床に落ちていた服を着せてくれた。
あたしは、ずっと千尋を見つめている。
「…アホなことはしたらあかんよ。
欄はええ子なんやから、ちゃんとした男みっけて、順序踏まえてからやらな」
ちゃんとした男なら、今あたしの前にいるよ。
「あんなに傷付いたのに、また自分から傷つくようなことすんな」
「…大丈夫やもん」
「………」
首を傾げる千尋。
あたしの口は、もう黙っていられそうもない。