恋の相手はメイド君!?
どうして気持ちをセーブするの?


あたしは欲が出てきた。


告白出来ただけで、千尋にあたしの想いを知っていてもらえるだけでいいと思ってた。


それから、千尋の想いを聞いた。



今あたしの中にある欲は……。



「あたし、千尋の彼女になりたい……」



贅沢なんてするつもりなかったの。


付き合えなくても良かったよ。


でも、千尋も好きって言ってくれた。


『好き』て言葉は魔法なんだよ。


勇気をくれる。

力をくれる。

温もりをくれる。

元気をくれる。



沢山の想いがつまった言葉には、沢山のものがつまっていた。



だから、あたしは『好き』と言われたら我慢なんてできないよ。



「…なぁ、千尋。
あたしじゃ、あかんの?」

千尋に触れたくて触れたくて仕方ない。


でも我慢だ。


今すぐ抱きつきたいけど、千尋の気持ちを確認するまでは我慢だ。




「俺は……」


千尋が静かに口を開いた。

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