恋の相手はメイド君!?
「雪…見にいかん?」


雪?


窓の外を見ると、とっても良い天気。


雪を見ようと思ったら、ホント遠出になるし山まで行かなきゃいけない。



「あたしのタイヤ、ノーマルなんやけど」



割りと都会に位置する此処は、滅多なことがなければノーマルタイヤでも安全だった。


だからチェーンも、もちろんスタットレスタイヤもない。


ノーマルタイヤで雪道なんて、かなり危険だし。



況してや、凍結なんかしていたら絶対危ないから断念するしか…………。




「俺の車で行けば大丈夫や。
ちゃんと雪道対策してあるから」


「え、千尋の車?」


「いやか?」


「嫌やないよっ!!」



ドライブはてっきりあたしの車で行くと思ってたから、ちょっと驚いただけだ。


完全に片付け終わった千尋が、エプロンを外してソファーにかけてあったジャケットをはおった。




「ほな、車会社に預けたままやから取ってくるわ。
欄は、支度しよってや?」


「わかった! 気をつけてね!」


玄関まで見送った時、千尋の背中に向かって言うと、ピタリと立ち止まり振り向いた。

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