恋の相手はメイド君!?
紅茶を飲み終わったと同時に携帯がけたたましく鳴った。
ディスプレイを見ると。
―千尋―
名前の横にハートマークがついた千尋の名前が表示されて、暫く見とれていたいと思った。
でもそろそろ出ないといけないなぁ。
あぁ、勿体無い。
ついさっきハートマークをつけたから、これが彼氏としての初の着信だったのに。
よし、絶対消さないぞ。
「あーい!」
『遅いっ!』
うひゃあ、怒られた。
仕方ないか、約二分は鳴らしたまま放置してたもんね。
しかも見ながら……。
「ごめんなさい。
ちょっと見とれてまして」
素直に謝っておくとしよう。
此処で機嫌悪くされたら、せっかくのデートが台無しになるから、それだけは避けたいし。
『見とれる?
まぁ、下着いたから降りてこいやぁ』
「わかったぁ!」
電話越しだと千尋の声が低く響いて、耳の奥がくすぐったい。
低くて澄んだ声。
そして、ちょっとエロチック。
声フェチにはまたりませんなぁ!