恋の相手はメイド君!?
それでも、やっぱり。
「あたし、ちょっとずつ煙草やめる」
「それは、ええ心がけやな!」
直ぐには無理だけど、千尋はあたしの身体を思ってくれたから。
心配させたくもないし。
やっぱり、女の子らしくしたいから。
頑張ろうと、また一つ決意した。
大分山道になり、雪がチラチラと降りだした。
「あんなに晴れてたのになぁ?」
山の天気は変わりやすいのか、ただ冷えただけなのかトンネルをくぐる度に雪の量が増す。
「見てみぃ、温度計-2やって」
「ホンマや!
今外出たら、死ぬな」
凍え死ぬなんて最悪で、絶対ごめんだ。
「スリップしても死ぬな」
「怖い事言わんでや…」
「先に言い出したんは欄やろーが」
そうだけど、スリップはやけにリアルで怖いじゃないか。
それにしても、五時間ほど走り続けているけど、千尋は何処まで行くつもりなのかな?