恋の相手はメイド君!?
「……あ、お久しぶりです」


シャキッとして、軽く頭を下げた千尋に、真っ赤な唇のおばさんが笑顔で歩み寄る。



「やっぱり千尋さんだったのね!
後ろ姿から、そうじゃないかしらって思ってたのよぉ!!
どうなさったの?
最近見なかったけど」



ペラペラ喋るおばさんだな。


千尋もちょっと表情引きつってるし。



「ちょっと、別に仕事がありましてね。
それより、青山さんはお元気そうですね」


「あら、そうなの?
あたし、ずっと千尋さんを指名したんだけどねぇ。

あたしは、元気よ!」



「それは、申し訳ないことをしましたね。
別の仕事が終わり次第、ご連絡致しますよ」



丁寧に言葉を綴る千尋。


千尋にとって、このおばさんはお得意様みたいなもん?


そうだとしたら、思っちゃっいけないんだろうけど。

今の……仕事が終わり次第って言い方、何か嫌な気持ちになった。



「何時頃終わるのかしら?その時は、サービスつけてちょうだいね。
随分またされてるんだから」



……永遠に待ってろ。


つか、サービスって何よ。
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