恋の相手はメイド君!?
このおばさん、さっきからわざとあたしに気付かないようにしてない?
つか、絶対してる。
あたしに背中向けてるし。
あ、千尋の腕に触れた。
いますぐ消毒してやりたい…………。
「青山さん、お車で来てはるんですよね?」
「えぇ、もちろんよ。
千尋さんに選んでもらったやつなのよ!」
「そうですか。
お付きの方は?」
「あ〜、今は車にいるんじゃないかしら?
千尋さんを見かけて、あたしだけで来たからね」
ウフフ。 と、上目使いで千尋に言うおばさん。
さっきから、なれなれしくない?
離れろよっ!!
それにしても、千尋は嫌じゃないのかな。
あんなケバいおばさんに抱きつかれてさ。
つーか、嫌がれよって思う。
彼女がいるのに、何でベタベタできるの?
腕に絡みついてるおばさんの手に軽く手を添えて、笑顔で語りかけている。
あたしなんて眼中にないみたいだ……。
なによ……ばか。