恋の相手はメイド君!?
「それにな、千尋君って人気あんのやろ?」


「らしいよ」



千尋を一ヶ月雇う契約を交した時、人気があるから一ヶ月の長期は難しいかもって言われた。


それでも、あたしは住み込みで千尋を雇いたいと思ったし。

時間をかけなきゃ、千尋をゲット出来ないと思っていたから貯金を叩いて払ったんだ。




「その人気もんの彼は、欄が仕事中の9時間は何をしとんのやろな?」


「なにて……家事」


に、決まってるじゃん。


千尋が言ってたし。


だけど皐月は怪しんでいる。


何かおかしなとこでもあるのかな?


考えてみたけど、さっぱりだ。




「あんな、欄は不器用やからわからんかもやけど、家事に9時間もかからんよ。
大変やけど、ある程度時間は出来る、千尋君みたいに家事が得意な人なら尚更や」




ふむふむ。


で? と、続きを促す。



「やから、千尋君、ホンマにずっと欄の家におるんかなぁって」



…………。


…………。


…………。




「おるに決まってるやんっ!?」


驚きに立ち上がった、前にあった灰皿を倒しそうになって慌てて押さえた。

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