恋の相手はメイド君!?
威勢よく抗議してみたものの、実はあたしも気になっていた。


あたしがいない間、千尋はホントに何をしているのかって。



そりゃあ、仕事してるんだろうけど、毎日掃除しているだけあって時間もかからないだろうし。


食事の材料だって一時間もあれば買い出し出来る。


九時間も一人で何をしてるんだろう?



気になって仕方ない。





「まぁ、千尋君を今のままメイドとして雇う以上、何か謎があることは確かやね?」


探偵気質とでもいうのか。
皐月は謎を暴くのがやたら好き。


ドロドロした昼ドラも好き。



ニヤニヤして……、一体何を期待しているのやら。





「メイドって言っても、後二週間だけやし」


早いもんで三週間が過ぎた。


契約満了まで、後二週間か。


それが終わったら千尋は家に帰るんだろうけど、あたしたちは大丈夫だよね?


そのまま自然消滅なんて結果は、あたしは望んでないから。




―キーン、コーン。


休憩終わりのチャイムが鳴ると、皆ゾロゾロと仕事場に戻って行った。


あたしも戻る皐月の後を着いて行きながら、帰れないかなぁと密かに考えていた。
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