恋の相手はメイド君!?
となると、直ぐに降りるのかな。


何だか不安になる。



千尋を信じていると言いたいけど、まだ何処かで疑ってるのかもしれない。



人間は一度裏切られたら、そう簡単に信用なんて出来ないものだと聞いた。



ホントその通りだ。



信用したいけど、また……と思うと怖い。



裏切られた時を考えてしまって、何処かで制御してしまう。



はぁ……酷い奴。



彼氏を信用しないでどうすんのよ。


でも、やっぱり怖いから。


今日で、何かわかるのかな。


わかるとしても、千尋は千尋だ。


あたしを裏切ったりなんて、しないよね?




三つ目の駅で千尋は降りて行く。




「ここって……」



千尋の会社があるとこだ。


なーんだ、会社に戻れるのか。


良かった、安心した。



駅を出て行くのかと思えば、千尋はトイレへと入って行く。



待っている間、このまま後をつけるべきか考えていた。



「……止めよう」



駄目だよ、こんなこと。


後をつけるなんて、千尋に失礼だしね。


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