恋の相手はメイド君!?
「ところで、何でスーツなん?」
仲直りしたあたし達は、手を繋いで家に帰る。
今は雪でおおわれた畑道を、似つかわしいスーツが、やけに目立つ。
「……覚悟して来たから」
「覚悟?」
覚悟って、なんだろう。
聞いちゃ不味いことだったのかもしれない。
フイッと、ソッポ向いてしまった。
「欄と、もう一度やり直せたら――」
「お母さん、娘さんを俺にください」
「いや〜、幽霊かと思ってたら、あんたの男やったんかいな!
あー、こんなんで良かったら貰ったってやぁ」
……失礼な。
家に千尋を連れて来て
「お母さんに会わせて」
と、言われたから会わせたら。
まさか、こんなことになるとは思ってなかった。