恋の相手はメイド君!?

「ただいま」


千尋が玄関に入って来て、玄関中に千尋の香水の香りが立ち込めた。


甘くて、爽やかな香り。



あたしは、辞めなくてもいいよと言ったけど

千尋は宣言通り、仕事を辞めて来た。


てこずったのか、仕事を辞めて三週間ほど経ったけど、今でも客の対応にドタバタしているみたいだ。



今は持っている資格を活かし、保育士をしている千尋だけど

休みの日には、千尋の客の担当になった人にアドバイスをしに行ったりなんかもしれいる。




「何かしてたんか？」


「えっとね、天気ええし布団干そうとしてたんやけど、重くて……」



千尋とそのまま同棲するようになって、シングルからダブルに変えた。


これは、千尋が買って来たんだ。



「それなら、俺が干したるから、欄はゆっくりしとけ」


朝一から、後継ぎの人に会いに行ってて疲れているはずなのに

千尋は、帰ってきて早々働こうとする。



「あたしがやるし、千尋こそゆっくりしなって！」


既に布団を持ち上げてしまった千尋に言っても

布団だけは干してしまいそうだ。