恋の相手はメイド君!?
「欄……」
「なんでしょう……」
たまには、あたしが手料理をと思って
ハンバーグを作ってみた。
「なんでしょうって、これはなんや?」
呆れた声の千尋。
途方に暮れた、あたしの前にはハンバーグになりそこねた残骸が……。
「これでも、頑張ったんやって!!」
おかしい。
ちゃんと、本を見て作ったのに。
「カレーとかシチューなら、完璧やのに……」
「うん。
二つとも、作り方同じやな」
それを言っちゃうか。
千尋は、家事や炊事には甘い顔はしない。
他のことには甘くても、こればかりは遠慮なくズバズバ言う。
仕方なく料理は断念した。
料理が駄目なら掃除をして、千尋の負担を無くそうと考えた。
千尋を真似て、まずは天井を箒ではく。
千尋みたいな身長が高くないから、届く範囲でやった。
次に、家具などについた埃を落とし
掃除機をかけて終わりだ。
「よし!」
大して疲れてもないけど、頑張った感を味わいたくて
腕で、額を拭う。