恋の相手はメイド君!?
やっぱり、ケーキが食べたい。


ポテトは口に合わず、三口で食べるのを止めた。


壁によりかかり、ボーッと天井を見上げる。



そんな千尋に、麻子が口を開いた。





「なぁ、あたし会社作ろうと思ってんねん。

貯金も貯まったし、ずっと夢やってな」


会社経営の夢があったなんて、千尋は今まで知らなかった。


麻子と出会って二年経つが、そんな話は聞いたことがない。


高校生に言っても仕方ないと思ったんだろう。



「……千尋、一緒にやってみない?」


「……は?」


千尋は目を丸くさせた。


一緒にとは、会社を?

なんで、俺?



「あたしな、派遣会社を作ろう思うんよ。

最近共働きなんて当たり前やから、家政婦やベビーシッター。
家庭のことに関することを中心にな」



大まかに話ているが、しっかり者の麻子だから

きっと、既に色々準備は進んでいるだろう。



麻子は、千尋の手を握りしめた。




「千尋は、家事とか得意やろ。
やから、沢山資格とって、あたしの会社に就職せん?
安定するまでは、安月給やけど……」

< 230 / 253 >

この作品をシェア

pagetop