恋の相手はメイド君!?
「あ、それ……」


彼女は玉ねぎをカゴに入れようとしていた。

それを千尋は止める。


「はい?」

「それ傷んでるから、こっちにしといたほうがええっすよ」

「はぁ。
ありがとうございます!」



お礼を言われるほどでもない。


だが、言われて悪い気もしなかったので
千尋は、ハニカムように微笑んだ。



すると、玉ねぎを持ったまま彼女は真っ赤になって固まってしまった。


大丈夫かと声をかける前に、「そ、それじゃ!」と、彼女は走って逃げる。



「俺、なんかしたか?」


















「おかん、ちゃんと掃除くらいせぇ!」


今日のメニューは、母親の大好きな肉じゃがだ。


肉じゃがを頬張りニコニコしている母親は、まだまだ若く見える。



「週末に一気にしよるよ」

「アホか。
掃除は毎日するもんや」


「んなこと言ったかて、面倒やしなぁ」


はぁ……。


これでは、駄目だ。


いくら注意したところで、本人にやる気がなければ変わらない。


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