恋の相手はメイド君!?

仕方なく、たまに帰って来ると告げると
珍しく母親らしい顔をする。



「なに言うてんの。
あんたは、もう社会人やろ、母親のことなんか気にしとらんと、さっさと彼女くらい会わせてや」


話が大幅に変わっている。


彼女の話になると、千尋は立場がない。





「ええ加減、人の世話ばっかやいとらんと、自分の面倒見てくれる彼女みつけなあかんよ」



いづらくなった雰囲気の中で、千尋は自分の作った食事を黙々と食べた。



いつか、こんなふうに自分のために料理を作ってくれる人はいるんだろうか……。




そう思いながら

永遠に続きそうな、母親の小言を聞いていた。