恋の相手はメイド君!?


「なぁなぁ、最近部署移動してきた人カッコよくない?」


この会社に努めて、人見知りの欄が唯一仲良くなったのは皐月だった。



昼休み、皐月はその男を指差した。



それを視線で追うと、大人の雰囲気で優しいそうな男性が職員たちと昼食をとっているところだった。





……イケメンや。


「カッコええよな!
あれで、彼女おらんらしいで」


「カッコええけど、タイプやないわ」


「なんでぇ?」



皐月は、ムスッとなって欄をこついた。


「あーゆうのは、モテるやん。
やから、浮気されそうやから嫌」



いくら見た目がよくても、自分だけを見てくれる人がいい。


つまり、中身が大事なんだと欄は力説したが、皐月にとってはどうでもいいことみたいだ。




もう一度、彼を見てみた。


やはりイケメン。


だけど、きっと自分とは縁のない相手だと

この時の欄は思って疑わなかった。

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