恋の相手はメイド君!?
欄は、決意した。


やっぱり先輩に告白しよう!!


何も言わずに終わるより、皐月の言った通り告白して終わったほうがいい。



そう決意したものの、なかなかチャンスはなかった。


ただの職場の先輩と後輩の関係では

滅多なことがなければ、二人の距離は縮まらない。



複雑な想いを抱えたまま、一年が過ぎた。




一年が過ぎて、ようやく欄にチャンスが訪れた。



会社の売上が良かったため、上司がお祝いで飲み会をひらいてくれることになった。



そこには、もちろん先輩も参加していて

運良く、先輩が欄の隣に座った。



こんなチャンスは滅多にないとわかっているのに、緊張のあまり声をかけられない。



一人だけ、浮いているんじゃないかと急に不安になった時―――。
















「楽しくないか?」


「え?」


「さっきから、何も食べてへんし、静やし」


話してもいないのに、先輩は欄のことを気遣ってくれていた。


そのことに気づき、欄は嬉しさが隠しきれず真っ赤になってうつ向いた。



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