恋の相手はメイド君!?

自分の家へは、夕方にやってくる。


夕飯を作ってあげようと、欄は意気込んでいた。


料理は大の苦手。


だけど、いつか好きな人のために料理を作りたいという夢があった。



運よく先輩が来るのは夕方だ。

部屋を綺麗にして、まだまだ時間がたっぷりとあった。


買い物行って、まずは食材を調達してこよう。



車のキーと財布だけを持ち、欄は大型スーパーへと向かった。




「ここなら、だいたい揃うやんな」


何を作るかも決めていない欄は、使えそうなものを適当にカゴに放り込んでいく。



野菜は、ジャガイモと玉ねぎと……。



ブツブツ呟きながらカートを目的地までおす。




お目当てのジャガイモが見えると、欄は人がいるのが見えていないのか

勢いよく、ジャガイモをカゴに入れてしまった。


―ドカ。


軽く腕と腕が当たる。



「あ、邪魔しました?
ごめんなさい!」


「いや……」


やってしまった。

一つに集中すると、他が目に入らない。


頭を下げて謝ってから、隣の玉ねぎにも手を伸ばした。

< 249 / 253 >

この作品をシェア

pagetop