恋の相手はメイド君!?
自分の家へは、夕方にやってくる。
夕飯を作ってあげようと、欄は意気込んでいた。
料理は大の苦手。
だけど、いつか好きな人のために料理を作りたいという夢があった。
運よく先輩が来るのは夕方だ。
部屋を綺麗にして、まだまだ時間がたっぷりとあった。
買い物行って、まずは食材を調達してこよう。
車のキーと財布だけを持ち、欄は大型スーパーへと向かった。
「ここなら、だいたい揃うやんな」
何を作るかも決めていない欄は、使えそうなものを適当にカゴに放り込んでいく。
野菜は、ジャガイモと玉ねぎと……。
ブツブツ呟きながらカートを目的地までおす。
お目当てのジャガイモが見えると、欄は人がいるのが見えていないのか
勢いよく、ジャガイモをカゴに入れてしまった。
―ドカ。
軽く腕と腕が当たる。
「あ、邪魔しました?
ごめんなさい!」
「いや……」
やってしまった。
一つに集中すると、他が目に入らない。
頭を下げて謝ってから、隣の玉ねぎにも手を伸ばした。