恋の相手はメイド君!?
もう少し見とれていたい気分だけど、そうもいかず彼の肩を揺らした。



「もしも〜し、朝ですよ〜」


起きません。


何度、呼びかけても軽く動くなんだけど、起きるまでには至らない。



なんか、ムカつくなぁ。


「おい!起きろ!
朝やでぇ!起きんかい!」


「んー……スーッ」


寝るんかいっ!



凄く、ツッコミがいのある人だわ。



よし、こうなったら仕方がない。


あたしは、うんと頷いてから近くにあったバットを手に持った。


何故バットが女の子の部屋にあるかというと、あたしは野球が好きだから、簡単でしょ?



まぁ、あたしの趣味も教えたことだし叩き起こすとしようかしら。


バットを上へと持ち上げて、振り落とそうとした、まさにその一瞬。



「……ん」


彼の瞳が、ゆっくりと開いた。


「あ、やっと起きたぁ?」

「ん……? て、何しとんやぁ!」


「へ? なにって……」


ガバっと布団の中に隠れてしまった彼をおかしく思いながら、あたしは気が付いた。


まだ、頭の上にあるバット。


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