恋の相手はメイド君!?
そう思い込もうとした。


怖くて、不安で。

でも、先輩に嫌われたくないと思う気持ちには勝てなくて。



「…気持ちいいとか、痛いとかもわからんかったよ。
もうドキドキして、起きとくんで精一杯やったし」



チラッと千尋を見ると、暗闇だからよくわからないけど、何だか不機嫌なように見えた。



あ、こんな話ししたから不愉快にさせたのかも。


「ごめん…。あたしの話し聞いても、何もならんもんね?」


何してるんだろう。


こんな話し、友達でもないのにペラペラ話して。


聞かれてもないことまで、言う必要なんてないのに……ね。





「初めてやったんか?」


このまま話す内容もなくなって、いつの間にか寝てしまうって、そんなパターンを予想してあたし。


意外にも、千尋に問われてしまった。



初めてって、セックスが……だよね。


その話題をしたんだし。


「……まぁね」

「なら、あかんやん。
三回デートしたくらいで、男にやらせんなや」



あれ?

なんで、千尋は怒ってるの?


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