恋の相手はメイド君!?
ガヤガヤ。
千尋が行きたいと言っていた、スィーツ屋に到着。
「結構、人おるね?」
「雑誌に載るくらいやからねぇ」
そりゃそうか。
女の子向け雑誌に載れば、スィーツに目のない女の子たちが集まるわな。
店内は、女の子が殆んどで、ちらほらとカップルがいるくらい。
その中にいる、あたしと千尋ははたから見たら何に見えるかな?
カップルに見える…かな?
「では、お席にご案内します」
店員に席を案内されて、あたしたちは窓際の席についた。
混んでいたし、二人だったから店の奥張った場所で、場所なんて気にしないけど。
「狭いやろ?
ごめんなぁ、俺無駄にでこうて」
「ううん! そんなことないで!」
角に面した席は、あたしと千尋が並んで座る形になってしまった。
あたしとしては、千尋と隣になれて嬉しいけど、足を組んで外側に身体を向けてメニューを見る千尋には狭そう。
肩がチョコンと触れると、ビクンと大袈裟に身体が跳ねた。
「あ、あたし、男の子とこんなとこ来たことないからっ」