恋の相手はメイド君!?
あたしとデートしていた時と違い、バッチリスーツなんか着てる先輩。


その先輩の腕に不安そうに腕を絡めて、あたしたちを伺う彼女が、これまた可愛い。


一々、可愛いことしないでよ。


元から可愛いんだからさ。



「欄も、休みやったんか」

「えぇ、まぁ……」


早く離れたいのに、先輩は離れて行かない。


早くデートに戻ればいいのに……。



「にしても、良かったやんか?」


「………はい?」


何が、良かったのか分からず先輩を見上げてしまった。



もうヤバイくらいカッコイイ笑顔で、あたしに言うんだ。



「新しい男見付かったんやろ?
良かったな、クリスマスやし仲良くせぇや」



グサリと、刃物が胸に突き刺さる。


先輩が、そんなふうに言う立場なの?


あたしを捨てたのは、先輩なのに、あたしをこれ以上惨めにさせるんだね。



「心配してたんやで?
欄に、引きづられてたらどないしようってな。

俺と欄は、友達でおったほうが良かったんやわ」


あぁ、もう最悪だ。


何で、そんなことわざわざ千尋たちの前で言うの。



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